病気や怪我をしたとき、「この人に診てもらいたい」と思う先生は、どんな先生ですか?
宮崎県小林市には、患者さんの心と体をトータルで診察し「元気になったら何をしたいか」というところまで気にかけ、アドバイスしてくれる先生がいます。
「シントータルボディケア整骨院」を営む山本新さんは、小林市で地域おこし協力隊を経て、昨年6月に整骨院を開業しました。
山本さんの元には、怪我をした患者さんから慢性的な体の不調に悩まされる患者さん、原因のわからない症状で悩む患者さんまで、さまざまな方が訪れます。
中でも、「ずっと病院にかかっているけど治らない、症状を繰り返してしまう」といった原因が不透明な患者さんが少なくないのだとか。そして山本さんもまた、原因が見えづらい症状に悩む患者さんと伴走する姿勢を一貫しています。
そこにはご自身がヘルニアに苦しんだ経験と、健康を維持するために「心と体の両方のケアを大切にしたい」という信念がありました。
(以下、山本新)
体全体を診ることで「自覚しづらい原因」にアプローチ
「シントータルボディケア」という名前は、僕の名前が新(シン)であることと、患者さんの心と体、全体を診る施術を心がけていることに由来しています。
トータルボディケアを心がけるのは、痛めたところにただ電気を当てて終わり、マッサージをして終わりでは、患者さんが訴える症状の根本治療にならないことが多いから。
最近の、特に若い方は、自覚できる症状とはべつのところに原因があったりするんです。
たとえば、仕事や人間関係のストレスが原因で、体全体の血流の流れが悪くなることがあります。すると、症状として腰痛や頭痛が出たりする。
だから来院した際に、患者さんは腰痛や頭痛を訴えるわけですけど。そこで電気を当てたり、マッサージをして終わりだと、一時的にリラックスできても日常に戻ればまた痛みを繰り返すことになってしまうんです。本当に治療しなければいけないのは、ストレスや血の流れの方だから。
根本の原因を洗い出すために、どんな患者さんに対しても、施術の前にヒアリングの時間を十分にとることを意識しています。
捻挫や脱臼のような怪我には、電気治療やマッサージ治療をしますが、原因がわかりづらいものに対しては、「オステオパシー」という療術で原因を洗い出し、治療しています。
ヘルニアになったことから、整体師の道へ
僕の出身は京都で、小林に移り住む以前は、兵庫の西宮で働いていました。柔道整復師になろうと思ったきっかけは、企業で働いていた頃にヘルニアになったことです。
その企業で結構力仕事をしていたり、高校の頃は柔道をやっていたけど腰を痛めていたりして、25歳でヘルニアになってしまったんです。
ヘルニアになり、いろんな病院や整骨院に行きました。けれども結局よくならず、最後は手術をすることに。もう力仕事はできなくなってしまい、次は何をしようかな?と考え目指したのが、柔道整復師になることでした。
柔道整復師になろうと思ったのは、ヘルニアになって整骨院に通っていた頃、たくさん体の悩みを抱えている人を見て「治らないことで悩んでいる人がこんなにいるんだ」と実感したから。
自分がヘルニアで苦しんでいたこともあり、今度は治す立場になりたいなと思ったんです。
そこから柔道整復師の学校に通い始め、整骨院でアルバイトをしていました。卒業後はアルバイト先の整骨院に3年ほど勤務し、小林へ。
地域のライフスタイルにあった提案をしたい
小林に移り住んだのは、僕自身ずっと田舎暮らしをしたい気持ちがあったからです。
けれど、田舎で柔道整復師として就職となると、個人で経営されているところが多いので、なかなか雇用先が見つかりづらい。だからといって、いきなり移り住んだ土地で開業するのも難しい気がしました。
そんなとき、ちょうど小林市が「起業を前提とした地域おこし協力隊」を募集していたんです。「協力隊になれば、地域のことを知りながら開業の準備もできる」と思い、家族で小林に移住することに決めました。
協力隊として、小林マルシェの運営をしながら、社会教育課のプログラム・生涯学習で講座をしていました。具体的には、市民を対象に、姿勢の保ち方や歩き方をレクチャーし、健康に関する知識を高める取り組みなど。
同時に、開業に向けて物件を探したり地域の人たちに適した施術内容を考えたりなど、準備も並行してきました。
小林市は車社会なので、どうしても歩く機会が減ってしまう方が多いんです。運動不足で糖尿病になりやすかったり、高血圧の方も多い印象。食事や運動、そういった提案も一緒にしていかないと、怪我をしやすくなったり、病気にかかりやすくなったりします。
その地域の人の働き方や暮らし方にあった提案をしないと、腰痛や肩こりといった生活習慣的なものから生じる悩みは、なかなか解決しません。
治して終わりではなく、その人のライフスタイルに目を向けないといけない。それは小林に移り住んで、強く感じたことでした。
元気になって何をしたいか、を大切にしたい
シントータルボディケアは、患者さんが「元気になってしたいこと」まで叶えることを目標としています。
みなさん最初はヒアリングで「痛みが取れればいい」と言ったりするんですけど。よくよくお話を聞くと、たとえば「痛みが取れたら、孫と一緒に遊びたい」なんて言うんです。
そういった話を聞いていくうちに、元気になって何をしたいか、なんのために元気になりたいのか、やっぱりそこが本質なんだと思いました。
ですからその人の治したい気持ちの本質までちゃんと聞く。それを実現してもらうために、日々の過ごし方の提案もすることを心がけています。
やっぱり心が元気じゃないと、体にも影響するので。心の本質を大切にしながら、体全体を診る、心と体をトータルでケアすることを大切にしたいんです。
今、シントータルボディケアには、怪我をした人から慢性的な症状で悩む人、いろんな病院や整骨院にかかったけど原因がわからない人まで、幅広く来院してくれます。
僕自身としても日々、「どこの病院や整骨院に行っても治らない。症状を繰り返してしまう」という方々の支えになるような場所になれたら、と想っています。
(この記事は、宮崎県小林市と協働で製作する記事広告コンテンツです)
文/小山内彩希
写真/土田凌
非公開: 地元を愛する心意気に惚れ込んで【宮崎県小林市】特集、はじめます。
これまでの【宮崎県小林市】の記事はこちら
- 非公開: 地元を愛する心意気に惚れ込んで【宮崎県小林市】特集、はじめます。
- 【宮崎県小林市】歳をとっても“生きている心地”を感じられる場所をつくりたい|社会福祉法人「ときわ会」副理事長・坂口和也
- 【宮崎県小林市】実演販売の強みを活かして「買ってでも食べたいお菓子」をつくる。洋菓子工房プチ・パリ前原宏美
- 【宮崎県小林市】「わたしが一番のファン」。夫婦の信頼関係からつくられる玉光園のキノコ
- 【宮崎県小林市】「寄り添うとは、“いつでもそばにいる”と思ってもらえること」福祉タクシー きずな・四位純徳
- 【宮崎県小林市】野菜が好き。ただそれだけで夢中になれる。野菜のお姉さん・大角恭代
- 【宮崎県小林市】本場・北海道じゃなくてもできる。自分にしかできないチーズづくり|ダイワファーム代表・大窪和利
- 【宮崎県小林市】「作品を置いた場所が自分の空間になる」陶芸家・川路庸山のタブーなき不思議な世界
- 【宮崎県小林市】川﨑クラフト株式会社の手づくり「木製ままごとキッチン」は、老若男女が喜ぶ贈り物
- 【宮崎県小林市】目指すは“地球にやさしい男”。ホリケンファーム・堀研二郎
- 【宮崎県小林市】愛されるモノづくりの本質とは?銀座の名店シェフに選ばれる野菜農家の哲学
- 【宮崎県小林市】「風の丘ガーデン」を営む澁田園芸が目指す、家族でつくる花のある暮らし
- 【宮崎県小林市】「美味しさの秘密、全部教えるよ。同じようにはつくれんから」すき酒造杜氏・内嶋光雄
- 【宮崎県小林市】俺たちは「西諸県軍(ニシモロカタグン)」を結成した。故郷を好きになりたいから、ノンスポンサーで。
- 【宮崎県小林市】両親と兄の死を経て、それでも「この道でよかった」と言えるように。野菜ビュッフェツナギィーナ・橋本夫妻【夫婦対談】
- 【宮崎県小林市】理想の暮らしのためのスタートラインに立ち、いま思うこと|元・地域おこし協力隊 瀬尾絵美
- 【宮崎県小林市】ものをつくるのは孤独な作業。それが自分に向いていた|革製品ブランド「Lepanjao(レパンジャオ)」今村孝矢
- 【宮崎県小林市】「幸せになる方を選びましょう。自分の人生だもの」ヨガインストラクター 小川奈央
- 【宮崎県小林市】知るだけじゃダメ。ここへ来て、見て、感じてみて。農家民泊がいま必要なワケ
- 【宮崎県小林市】美大時代にバスに住んでいた?「廃バスでの暮らしが僕の原点」ばすぷすん工房・浜崎誠太郎
- 【宮崎県小林市】やりたい仕事よりも「望まれる仕事」を選んだ─「小原梨園」3代目に聞く、その理由
- 【宮崎県小林市】「クッチーナ・マンマ・デル・ペッシェ」80年続く魚屋発のイタリア家庭料理を召し上がれ
- 【宮崎県小林市】地域おこし協力隊の語る「マルシェの本質」とは?
- 【宮崎県小林市】シェフ歴20年。地元・名古屋を愛するぼくが小林の地域おこし協力隊になったわけ|甲斐崇悟
- 【宮崎県小林市】「あれを選んだらよかった」と考えるのは、無し。それが生き方の基本
- 【宮崎県小林市】絶対に妥協しないものづくりを。国内シェア50%のサーフボードブランクス「kiriflex」ができるまで
- 【宮崎県小林市】「今年もおんなじ味だね」が褒め言葉。大出水製茶・3代目のお茶づくり
- 【宮崎県小林市】に「TENAMU交流スペース」が誕生!地域商社・BRIDGE the gapが交流スペース運営に注力する理由とは?
- 【宮崎県小林市】一流の仕事とは?籐(とう)の家具づくり名人「現代の名工」に聞く
- 【宮崎県小林市】個人と法人、それぞれにできる農業がある。菊農家・高津佐雄三さんが目指す「あかるい農村」とは?
- 【宮崎県小林市】編集部みんなが紹介します!アクセス方法など初めて訪れる際に知りたい基礎情報まとめ
- 地域で「何をするのか」より、「どう暮らしていきたいか」を考える【地域特集イベントレポ】
- 【宮崎県小林市】「なんにもない地域なんてない」。身近な文化財から見えてくるのは現代までつながるストーリー
- 【宮崎県小林市】ここは、本当の日本人に出会える場所|小林まちづくり株式会社 ロレーヌ・ロジェ
- 【宮崎県小林市】生産・加工・販売を一農家で実現する徳永農園の、「何度失敗しても、新しいことにチャレンジできる」理由
- 咲いている日も咲かない日も訪れたい、生駒高原【宮崎県小林市】
- 【宮崎県小林市】「このレストランに旅をしに来てもらえるように」。Kokoya de kobayashi オーナーシェフ・地井潤
- 【宮崎県小林市】で幸せなノマド暮らし体験!もとくら編集部オススメの3スポットを紹介します
- 【宮崎県小林市】「生甘酒と糀のおいしさを届けて、お米の魅力を底上げしたい」rice shop 糀や 杉元祐子
- 「元気になって何をしたいか」を大切に、心と体をトータルケアしたい【宮崎県小林市】
- 【イベントレポ】灯台もと暮らし大忘年会〜小林を選んでくれたひとがたくさんいるって気づけた〜(2/3)
- 【ファインダーと私】恋の続きは、旅で。あたらしい自分に出会いに 〜宮崎県小林市〜
- 【ファインダーと私】陽だまりのように地元を愛すひとたちが暮らす街〜宮崎県小林市〜
- 【告知】12/11(日)「灯台もと暮らし大忘年会〜高知県嶺北地域と宮崎県小林市のみなさんを迎えて〜」を開催します!
- 【宮崎県小林市】カフェを開く夢を追いかけ行き着いたのは、「そのひとがそのひとらしく居られる空間をつくること」|musumiオーナー・上岡唯子
- 【宮崎県小林市】焼肉店「牛心」オーナー・坂下晃平さんの夢は100店舗経営。夢を動かすのは、いつだって自分だ
- 【宮崎県小林市】朝から晩まで北霧島の自然を堪能できるコンテナハウス「キレイビレッジ」
- 【宮崎県小林市】地域の人に育てられて、ここまで来た。23歳で始めた写真館で、50年撮り続けた笑顔。川原写真スタジオ・川原信幸
これまでの【宮崎県小林市】の記事はこちら
- バズを生むより地元出身者を振り向かせたい!宮崎県小林市発の「てなんど小林プロジェクト」
- 好きじゃないと来てなんて言えない。宮崎県小林市 移住相談窓口 上野祥枝
- 【地域おこし協力隊】子育てのために移住。自然と共に暮らしたい|宮崎県小林市・瀬尾絵美
- 【地域おこし協力隊】子どもが喜んでいる姿を見るのが一番の幸せです|宮崎県小林市・伊藤斉
- 【地域おこし協力隊】小さな生業を複数持ちながら暮らしたい|宮崎県小林市・細川絵美
- 【地域おこし協力隊】ミツバチと触れ合う体験を作りたい。定住に向けて養蜂と農業に取り組む|宮崎県小林市・田地祐造
- 【地域おこし協力隊】地域の若者と一緒に仕事をしよう|宮崎県小林市・勝本哲也
- 【宮崎県小林市】実演販売の強みを活かして「買ってでも食べたいお菓子」をつくる。洋菓子工房プチ・パリ前原宏美
現在鋭意執筆中…